頭の良し悪しではない。
記憶している層が違うのである。
どの層を覚えるかは、学び方の設計で選べる。
本カリキュラムの全動画がこの構成で作られている。
結論だけの学習は速いが浅く、機構まで下りた学習は遅いが壊れない。
速さと深さの交換条件を、意識的に深さへ倒すのがこの順序である。
AIがあらゆる手順を即答できる時代、人間の学習の向かう先は手順の記憶ではなく機構の理解と判断の訓練である。
手順はいくらでも引ける。
引いた手順の正否を判定する力だけが、自分に残る資産になる。
語源は概念の輪郭を記憶に固定する取っ手である(経之営之、規矩、ポカヨケ)。
名前の由来を知った概念は、定義を丸暗記した概念より長持ちする。
取っ手のない荷物は運べない。
適用されなかった学習は、知的娯楽であり、在庫ですらない。
本や講座を「読み終えた」「見終えた」は完了の単位ではない。
自分の数字が一つでも動いて、初めて一件の学習が閉じる。
壁の手前にいる人にとって、二つ先の壁の勉強は面白くても順路の外である。
学習の優先順位づけとは、興味の順位づけではなく、壁の特定である。
単語を「大文字か小文字か」という表層で処理した群より、「意味が通るか」という深い層で処理した群の方が、後の記憶成績がはるかに高かった。
手順の暗記は表層処理であり、機構の理解は深い処理である。
学び方の差は、そのまま記憶の残り方の差になる。
架空の例だが、値上げの台本だけ覚えた人と、価格が価値の認知に働く機構(080)まで理解した人がいるとする。
市場が変わったとき、前者は台本ごと無効になり、後者は新しい台本を自分で書き直せる。
主張は逆で、閉じる率を上げよ、である。
宿題で閉じる予定のないインプットは、着手しない方が資産効率が良い。
この三点を守る学習だけが、環境が変わっても壊れない。
