この講座は、新しいことをほとんど言っていない。
それこそが、この理論体系の強さの根拠である。
あわせて物事の手本・基準を意味する。
型と計測で経営する。
感覚と気分から、基準と数字へ。
第1部の「測ってから建てる」が、道具の名前を得た姿である。
Consumer is Boss(011)と両輪の理論(021)の制度化。
聞く順序が決めの前に来ることを、経営の入力規則として固定する。
やりっぱなしを許さない出力規則である。
効いたかどうかを測らない施策は、実行された願望にすぎない。
「経営」という言葉が本来持っていた意味 — 測ってから建てる(001)— へ帰ること。
流行の手法を追加するのではなく、言葉の原義に実装を与え直す。
第1講から第8部までの全理論は、経営という語の原義の、現代における再実装である。
新しさを主張しないからこそ、流行が変わっても壊れない。
標準作業として型と基準を文書に固定し(規矩)、「現地現物」と呼ばれる現場観察で机上ではなく事実に聞き(聞く)、カイゼンの反復で効果を検証し、効かないものを直し続ける(効く)。
特別な天才の閃きではなく、測って、聞いて、検証するという当たり前の循環を、組織の習慣として数十年回し切ったこと。
それだけのことが、世界中の工場と経営学の教科書を書き換えた。
原点回帰は地味である。
だが地味なものだけが、再現できる。
新しさは最初から主張していない。
経営という語の原義への回帰であり、原義は流行に左右されないからこそ、土台に使える。
経営の原点は、言葉の中に最初から書いてあった。
3問とも埋まるまでが、意思決定である。
