だが設計に使えるのは、むしろ死因の方である。
巨大サービスたちの墓碑銘から、繰り返し現れる型を4つ取り出す。
同じ土俵で戦わないことが唯一の対策。
蓄積の勝負は、始まった時点の残高で大勢が決まっている。
不満の斥力が蓄積の引力を上回ると、スイッチングコストは機能しない。
堀は、日々の体験の質という水位の上にしか立たない。
蓄積に胡坐をかいた停滞は緩慢な死。
堀の深さは、掘り続けている間しか維持されない。
蓄積を作る側が儲からない構造は、蓄積ごと持っていかれる。
「作る側・参加する側が儲かるか」を全企画に事前に問う。
この一問を飛ばした共同体は、熱量が冷めた瞬間に空になる。
2008年の公開後、「第二の脳」として熱狂的に支持され、数千万人分のノートという極大の蓄積を築いた。
ところが2016年、無料プランの端末数制限と値上げが打たれた頃から、目立った改善の停滞と動作の不安定さが重なり、ユーザーは何年分の蓄積を捨てる痛みを受け入れてでもNotionやObsidianへ移り始めた。
最終的に同社は2020年代に身売りに至る。
注目すべきは、スイッチングコストが最後まで高いままだったことである。
それでも人は出て行った。
蓄積の引力は、不満の斥力を下回った瞬間に、維持装置から遺物に変わる。
個人の講座・コミュニティ・発信も、規模が小さいだけで同じ型で死ぬ。
死因は規模を選ばない。
前編の4型は、堀の内側の死因である。
