LF. 理論カリキュラム100 / 第6部 レバレッジと委譲
065
型化→自動化→委譲の順序
「外注してみたが、品質がひどくて結局自分でやり直した」。

この経験から「やはり自分でやるしかない」と結論する人は多い。

だがこの失敗は、外注先の能力の問題であることは少ない。

渡す前の工程が一つ抜けているのである。

命題
「任せられない」の正体は、相手の能力ではなく、自分の型化の未完了である。
前提講 063
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渡す順序は固定である。

まず自分でやって型を作る。

次に型を文書化する。

それから、判断を含まない反復は自動化へ、判断を含むものは委譲へ渡す。

この順序は入れ替えられない。

型がないものは、機械にも人にも渡せないからだ。

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型化を飛ばした外注は丸投げと呼ばれる。

基準がないから毎回品質が揺れ、手戻りが発生し、指示のやり取りが膨らみ、結局自分でやるより高くつく。

丸投げの失敗は、相手の能力測定ではなく、自分の型化の未完了の証明である。

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型化を飛ばした自動化はさらに危険で、間違った手順を高速で反復する装置になる。

効率化されるのは成果ではなく、誤りの生産速度である。

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逆に言えば、型化さえ済んでいれば、自動化と委譲は交換可能な実装手段にすぎない。

文書化された手順は、ツールに載せれば自動化になり、人に渡せば委譲になる。

どちらを選ぶかはコストの比較問題であって、悩みの種ではなくなる。

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最後に品質の考え方を変える必要がある。

品質9割で回り続ける仕組みは、品質10割で止まる属人に、事業としては勝る。

完璧な自分は、いつか必ず倒れる単一障害点だからである。

事例
実例として、マクドナルドの原型がある。

1940年代末、マクドナルド兄弟は自店の調理工程を徹底的に分解し、誰がやっても同じ品質のハンバーガーが一定時間で出てくる「スピーディー・サービス・システム」という型を作り上げた。

1950年代にレイ・クロックがこの型をフランチャイズとして全国に複製し、世界最大の外食企業が生まれた。

順序に注目してほしい。

拡大が先ではない。

事例続

一店舗での型化が先で、複製は後である。

型のないまま多店舗化した無数の飲食店が消えていく中で、型を先に作った一店だけが世界に増殖した。

よくある誤解
「任せる=信頼の問題」と読むのは誤りである。

信頼で品質は安定しない。

安定させるのは、合格と不合格の基準が書かれた文書である。

人を信じる前に、文書を作る。

それが結果として、人を信じられる状態を作る。

まとめ
型化、文書化、それから自動化か委譲。

任せられない悩みの答えは、求人サイトではなく、自分の手順書の中にある。

宿題
毎週繰り返している作業を一つ選び、手順を箇条書きで文書化してみる。

書けない箇所が、まだ型になっていない部分である。

次講
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