飛んでいる飛行機は止まれない。
止まった瞬間が墜落である。
あなたの事業にも、この「止まれない部分」が必ずある。
しかし飛行中の航空機に「安全な停止」は存在しない。
だから航空機は、故障してもなお機能し続ける仕組み、フォールトトレランスを必要とする。
判定は一つ: 停止したとき、時間の経過そのものが損害を拡大させるか。
状態が保存されるなら止まれる系、停止の瞬間から損害が進むなら止まれない系である。
止まっても状態が保存されるのだから、安全側とは停止側である。
止まれる系まで多重化すれば資源が薄まり、止まれない系に撤退基準を当てれば、基準どおりに生活が崩れる。
新規の高単価チャネル開拓は止まれる系で、3ヶ月成果ゼロなら停止してよく、失うのは投じた時間だけである。
一方、生活費を賄う継続案件群は止まれない系で、止まると貯蓄の取り崩しという損害が停止の瞬間から進行する。
よって前者には「3ヶ月で商談5件未満なら撤退」の基準を引き、後者には「最大の一社が消えても回るか」という多重化の検算を当てる。
同じ人の中に、守り方の異なる二つの系が同居している。
本当に大事なもの=止まれない系には、撤退基準ではなく冗長化を当てる。
道具の適用先を間違えると、大事なものを基準どおりに止めてしまう。
仕分けが先、装置は後である。
