そして工学の世界では、この言葉は対策として数えられていない。
排除(作業自体を消す)→代替化(自動化)→容易化(単純化・基準化)→異常検出(起きた瞬間に検知)→影響緩和(被害の受け皿)。
注意力は疲労と慣れで劣化する変動部品であり、そこに安全を依存させる設計は誤りだからである。
pは訓練でほとんど下がらないが、nは設計で消せる。
排除が最強なのは、pとの戦いを放棄してnをゼロにする戦略だからである。
期日処理は自動送金と通知に渡す(代替化)。
その場の判断は、事前基準への当てはめに変える(容易化)。
消せないか、自動化できないか、簡素化できないか。
「次は気をつける」に到達する前に、四つの選択肢がある。
精神論なら「月末に必ず確認」で終わるが、階層で考えると打ち手が変わる。
排除なら自動課金契約に切り替えて請求作業自体を消す。
代替化なら会計ソフトの自動送信。
容易化なら請求先一覧を塗りつぶすだけの表。
検出なら未送信の翌朝通知。
同じ問題に五段の解があり、上の段ほど再発率は構造的に下がる。
「気をつける」しか思いつかない問題の大半は、階層を知らないだけである。
士気は実行速度に効く実在の変数だ。
ただしそれは性能の話であって、安全を精神に担わせてよい理由にはならない。
最弱の手に頼る前に、常に四つの選択肢がある。
最上段から実行可能なものを選ぶ。
