LF. 理論カリキュラム100 / 第4部 会計と逆算
037
自分の人件費という見えない原価
「コンテンツ販売は原価ゼロだから利益率100%」。

この言葉を信じて参入した人の多くが、1年後に疲れ果てて消えていく。

原価ゼロは嘘だからである。

帳簿に載らないだけで、最も高い原価が毎日支払われている。

命題
原価ゼロに見えるコンテンツにも、自分の時間という原価が乗っている。
前提講 003
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体力と時間は、れっきとしたリソースであり、無料ではない。

第1部で見た通り、事業とは価値の投下と回収である。

時間の投下を原価に数えない会計は、投下の半分を無視した会計だ。

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「1日20投稿を気合で半年」という戦略を残業換算してみる。

1投稿30分なら1日10時間。

休みなしで半年続ければ、労働基準法の上限をはるかに超える自己搾取である。

しかも半年後の燃え尽きで投稿が止まれば、積んだ勢いも同時に止まる。

燃え尽きまで含めて収支を引けば、この施策は赤字である。

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自分の人件費を原価に計上すると、「儲かっているつもり」の事業の多くが赤字だと判明する。

月10万円の利益でも、月200時間を使っていれば時給500円。

アルバイトの半分以下の単価で、自分という最も高価な人材を使っていることになる。

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この計算を知らずに市場へ出ると、選べる戦い方は金のかからないSNS消耗戦だけになる。

金の予算はゼロでも、時間の予算を無限に流し込んでいるので、本人は「無料で戦っている」と錯覚し続ける。

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対処は単純である。

自分の時給を決め、すべての活動に計上する。

数字にした瞬間、時給を下回る作業が見え、切るべき活動と自動化すべき活動が並ぶ。

感覚では切れなかったものが、数字なら切れる。

事例
架空の例だが、会社員をしながら毎日X運用に3時間使う副業者がいる。

月90時間の投下で、収益は月3万円。

時給に直すと約333円である。

本人は「元手ゼロで月3万稼いでいる」と認識していたが、自分の時給を2,000円と置いて計算し直すと、毎月18万円分の時間を投じて3万円を回収する、月15万円の赤字事業だった。

この計算を見た彼は投稿を1日1本に絞り、空いた時間を単価の高い受託に回した。

事例続

収益の合計は翌月から増えた。

数字が変えたのは努力量ではなく、投下先である。

よくある誤解
「時給換算しろ」を「時給の高い作業だけをやれ」と読むのは誤りである。

将来の倍率を上げる投資(型づくり、検証、学習)は、当月の時給がゼロでも投下に値する。

禁じられているのは、投資でも回収でもない、ただの低時給作業を無自覚に続けることである。

まとめ
自分の時間は最も高価な原価である。

時給を決めて全活動に計上した瞬間、事業の本当の損益が現れる。

宿題
先週の事業関連の作業時間を合計し、収益を割って実際の時給を出す。

その数字を、自分が設定したい時給と並べて眺める。

次講
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037 自分の人件費という見えない原価
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