LF. 理論カリキュラム100 / 第2部 顧客起点の原理
012
マーケティングは贅沢である
事業を始めた人がまず学ぶのは、ファネル、リスト、成約率という言葉だ。

だがここに一つ、誰も指摘しない事実がある。

それらの数字は、顧客の側から見れば一つ残らずどうでもいい。

この非対称に気づくと、着手の順序が変わる。

命題
集客数・成約率・ファネルは売り手側の都合であり、顧客には一切関係ない。
前提講 008, 011
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「自分が何人集められるか」「自社がどれだけシェアを取れるか」は、顧客にとって完全に無関係な数字である。

顧客が関心を持つのは自分の問題が解決するかどうかだけで、売り手のリストが何人かは、顧客の人生に一切影響しない。

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それらの指標の本来の用途は、「次の顧客満足にどれだけリソースを割けるか」「既存顧客の満足を損なわない消費量はどこまでか」を決めることである。

つまり集客数や成約率は、満足を生み出す体制を管理するための内部の計器であって、満足そのものを生む道具ではない。

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つまり、すでに顧客を満足させている企業のための道具である。

満足という成果が先にあり、それを拡大再生産する段階で初めて、計器としての意味を持つ。

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まだ誰一人満足させていない段階でファネルを設計するのは、順序の逆転(008違反)である。

先に満たす対象が存在しないのに、受け取る仕組みだけを 精密に作り込むことになるからだ。

空の工場に精密な出荷管理システムを入れるのに近い。

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だからその段階の全リソースは、顧客満足の創出に投下する。

マーケは満足の後に来る贅沢である。

贅沢という言葉は侮蔑ではない。

満足を生めるようになった者だけが買える、二番目の道具という意味である。

事例
架空の例だが、同時期に開業した二人のコーチを比べる。

一人は開業初月からLINE公式とステップ配信を組み、リスト300人を集めたが、初年度の売上は30万円で止まった。

配信の先に、満足した顧客が一人もいなかったからである。

もう一人はリストを作らず、最初の3ヶ月を一人の顧客の課題解決に使い切った。

その顧客の紹介から次の契約が生まれ、初年度で300万円に届いた。

事例続

前者はファネルという計器を先に買い、後者は計器が測るべき中身を先に作った。

道具の性能ではなく、順序が結果を分けた。

よくある誤解
「マーケティングは不要だ」と読むのは誤りである。

贅沢とは不要という意味ではなく、順番が後という意味だ。

満足の実績ができた瞬間、ファネルも広告も強力な拡大装置になる。

捨てるのではなく、取っておく。

まとめ
集客の数字は売り手の内部計器であり、顧客には関係がない。

満足の創出が先、計測と拡大は後。

この順序が第2部の背骨である。

宿題
自分が今週使った事業時間のうち、「顧客の満足を直接作る活動」と「売り手側の数字を整える活動」の比率を出してみる。

後者が過半なら、順序が逆転している。

次講
では最初の一手は何か
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