LF. 理論カリキュラム100 / 第1部 ゲームのルール
006
人生の定規
ある経営者が、なぜ毎日そんなに幸せそうに働けるのかと聞かれて、無言で紙の定規を取り出した。

IKEAにあるような、100cmの紙のメジャーである。

彼がそれをちぎって見せた数秒の実演は、どんな時間管理術の本より雄弁だった。

命題
金を有意義に使える時間は、想像よりはるかに短い。
前提講 005
出典 海外経営者の紙定規の逸話。健康寿命・アクティブ寿命の概念。
1 / 5
100cmの紙定規を人生100年に見立てる。

1cmが1年である。

まずこの全長を眺めると、人生は十分長く見える。

2 / 5
次に、すでに過ぎた年齢の分をちぎって捨てる。

30歳なら30cm。

この部分はもう使えない。

取り戻す手段は存在しない。

3 / 5
さらに、後期の分をちぎる。

健康や活動に制約が出て、稼いだ金を思い切り使うことが難しくなる年代である。

人により幅はあるが、75cmから先を自由に使える人は多くない。

4 / 5
手元に残った紙の長さを直視する。

30歳なら、残りはおよそ45cm。

しかもそのうちのかなりの部分は、睡眠と生活の維持に消える。

金を有意義に使える正味の時間は、この紙よりさらに短い。

5 / 5
この時間認識が「そのうちやる」を破壊する。

稼ぐ力の獲得を1年先送りすることは、残り45本のうち1本を、準備という名目で燃やすことと同じである。

算術の上で、先送りに合理性はない。

事例
この紙定規の実演は、実際に海外の経営者が講演やセミナーで使ってきた手法である。

言葉で「人生は短い」と言われても人は動かないが、自分の残り時間が物理的な紙の長さとして目の前でちぎられると、認識が変わる。

健康寿命という統計も同じことを示している。

日本人の平均寿命と健康寿命の差はおよそ10年前後あり、その10年は「生きてはいるが、自由に動き回ることが難しい」時間である。

定規の右端は、多くの人が思っているより手前にある。

よくある誤解
これは「死を思って悲観せよ」という話ではない。

逆である。

残り時間が有限だと物理的に認識した人は、優先順位が明確になり、迷いに使う時間が減る。

定規は不安の道具ではなく、選択の道具である。

まとめ
金を有意義に使える時間は、紙の定規で測れるほど短い。

だから稼ぐ力の獲得は、人生の後半ではなく、今この瞬間に寄せるのが合理である。

宿題
実際に紙のメジャーを用意し、自分の年齢分と後期の分をちぎってみる。

残った長さを机に貼っておく。

次講
では他者との関係はどうルール化されているか
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