LF. 理論カリキュラム100 / 第1部 ゲームのルール
005
ゲームは降りられない
「もう少し様子を見てから」「準備ができてから」。

この言葉には、様子見はタダだという前提が隠れている。

だがこのゲームの盤面をよく見ると、待機している間もコストのメーターは回り続けている。

命題
資本主義は強制参加で、待機中も持ち点が減り続ける。
前提講 004
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生活費と税金という固定の流出は、何もしなくても止まらない。

呼吸しているだけで持ち点は減る。

これは比喩ではなく、家計簿を見れば毎月確認できる事実である。

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さらに見えにくい減り方がある。

同じ1億円でも、20代で持つのと80代で持つのとでは使用価値がまるで違う。

使える年数、挑戦に回せる割合、失敗から回復できる余地。

時間の経過そのものが、金の価値を静かに目減りさせている。

3 / 5
よって「様子見」はゼロコストではない。

動かない選択をした瞬間から、固定費と時間価値という二重の損失が確定で発生している。

様子見とは、無料の保留ではなく、有料の待機である。

4 / 5
降りられず、待てば減る。

この2条件が揃ったゲームでの合理的な戦略は一つしかない。

自分の満足ラインまで、できる限り早く稼ぎ切ることである。

5 / 5
急ぐ理由は野心ではなく算術である。

早く稼ぐほど、稼いだ金を長く使え、失敗しても回復の時間が残る。

「ゆっくりでいい」は美徳に聞こえるが、このゲームの構造上は、単に高い料金で同じ席に座り続けることを意味する。

事例
人生ゲームを想像するとよい。

全員が強制参加で、途中退場はできず、待機しているプレイヤーの持ち金からも毎ターン場代が引かれる。

こんなルールのゲームで「今回は動かないでおこう」を選び続ける人はいない。

ところが現実の資本主義では、多くの人がまさにそれをやる。

ゲーム盤の上では明らかに不合理な行動が、現実では「慎重」という名前で呼ばれているだけである。

事例続

盤面のルールは同じなのに、名前が変わると判断が狂う。

よくある誤解
「早く稼げ」を「焦って賭けろ」と読むのは誤りである。

前講の通り、賭けは安全圏の中で行う。

急ぐべきは着手と検証の速度であって、賭け金の大きさではない。

大きく賭けるのは遅く、小さく試すのは速く。

この使い分けが正しい急ぎ方である。

まとめ
このゲームは降りられず、待機は有料である。

ならば、満足ラインまで早く稼ぎ切る以外に、合理的な選択肢はない。

宿題
自分の「満足ライン」を金額で一行書く。

書けない場合、急ぐ理由も緩める理由も持たないままゲームに参加していることになる。

次講
「早く」の根拠をもう一段深く
LF.
第1部 ゲームのルール
005 ゲームは降りられない
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