LF. 理論カリキュラム100 / 第1部 ゲームのルール
004
期待値とブレ
商売は確率のゲーム
金持ちほどケチだ、という話を聞いたことがあるはずだ。

あれは性格の問題ではない。

ある計算ができるようになると、人は金の使い方が変わってしまう。

その計算の正体を、この講で開く。

命題
商売の腕とは、リターンの期待値とブレ幅を見積もる能力である。
前提講 003
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投下と回収は確率事象であり、毎回同じ額は返らない。

同じ広告に同じ金額を入れても、返りは月によって違う。

この揺らぎを前提にしない計画は、最初の下振れで崩れる。

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だから評価軸は2つ要る。

期待値(平均で何倍になって返るか)と、ブレ(上下にどれだけ振れるか)である。

期待値だけ見て賭けるのは、片目をつぶって車を運転するのに近い。

3 / 5
安全圏とは、最悪のブレを引いても致命傷にならない範囲のことである。

期待値がプラスでも、下振れ一発で資金が尽きる賭けは、賭けてはいけない。

生き残っていれば試行は続けられるが、退場したら期待値は取りに行けない。

4 / 5
この計算が身につくと、安全圏の外で金を使うことに強い恐怖を覚えるようになる。

金持ちがケチに見える理由はこれである。

彼らは吝嗇なのではなく、期待値とブレを暗算した結果、無駄になる確率の高い支出を弾いているだけだ。

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逆に見積もれない者は「安いから」で小さな投資を重ね、気づけば大金を失う。

単価10万円以下の教材でも、期待値的に買わない方がいい人は存在する。

年間で見れば、小さな「とりあえず」の合計が、大きな一発の損失を超えることは珍しくない。

事例
実例として、月100万円を情報商材で稼いだ人が、300万円のコンサルを売っている場面を考える。

買う側の期待値計算はこうなる。

この人自身の実績が月100万円なら、300万円を投下して300万円以上が返る根拠はどこにあるのか。

講師の実績を超えるリターンを、講師への支払いから得る計算は、構造的に無理がある。

この一段の暗算ができるだけで、世の中の投資話の大半は、買う前に仕分けられる。

よくある誤解
「ブレを恐れよ」を「リスクを取るな」と読むのは誤りである。

取ってよいのは、下振れしても退場しない範囲の、期待値がプラスの賭けである。

恐れるべきはリスクではなく、見積もらずに賭けることだ。

まとめ
商売の腕とは、勘の鋭さではない。

期待値とブレを賭ける前に見積もり、安全圏の中で試行を重ねる計算能力である。

宿題
直近で迷っている支出を一つ選び、「平均で何倍で返るか」「最悪いくら失うか」「失っても生活と事業は続くか」の3問に数字で答える。
次講
では様子見は安全か。実は待機にもコストがある
LF.
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004 期待値とブレ
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