LF. 理論カリキュラム100 / 第1部 ゲームのルール
002
資本主義は「所有を認めるゲーム」である
「この世は資本主義社会だからさ」という言葉は、たいてい金に汚い話の前置きに使われる。

だが資本主義の定義を一度でも確認すると、この言葉の意味はまったく別のものに変わる。

ルールを誤解したままゲームに参加している人が、実は大半である。

命題
資本主義の本質は金ではなく所有の許可。攻略とは所有を増やすことである。
前提講 001
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対比から入ると輪郭が出る。

共産主義は国が全部を所有する社会である。

キューバでは警察官も屋台の売り子も月収がほぼ同じで、店も家も個人のものではない。

個人の所有が原則として存在しない。

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資本主義はその逆で、個人の所有を認め、各自が所有物を交換し合う社会である。

国はむしろ小さく、一人一人に「自分で持つこと」を許可している。

これが定義のすべてであり、拝金は定義に含まれていない。

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ただの物々交換では「この鶏肉にアジ一匹は釣り合わない」という争いが起きる。

交換を滑らかにする道具として貨幣が生まれた。

つまり金は目的ではなく、交換の媒介にすぎない。

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よってこのゲームの攻略目標は「金を稼ぐ」ではなく「所有を増やす」である。

所有には現金だけでなく、資産・信用・関係・情報が含まれる。

金はそのうち最も数えやすい一形態でしかない。

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金だけを数える者は、赤字期間に積み上がっている残りの所有を見落とす。

創業初期の「儲かっていない」時期にも、信用と情報という所有は増えていることがある。

それを資産として数えられるかどうかが、撤退判断の精度を分ける。

事例
歴史の実例として、戦後日本の闇市を考えるとよい。

金がほぼ無価値になった時期に強かったのは、現金を持つ者ではなく、物資と仕入れ先という「所有」を持つ者だった。

逆にハイパーインフレ下のジンバブエ(2008年前後)では、現金の所有はほぼ意味を失い、外貨・不動産・技能という別形態の所有だけが価値を保った。

金は所有の一形態にすぎず、形態は状況で入れ替わる。

この構造を知っている者は、金以外の勘定を常に並行して数える。

よくある誤解
「所有を増やせ」を「溜め込め」と読むのは誤りである。

所有は交換されて初めて増える。

使わない信用、流さない情報、寝かせた現金は、次の講で見る通り、持っているだけで目減りしていく。

まとめ
資本主義は拝金のゲームではなく、所有を認め合い交換し合うゲームである。

攻略対象を金から所有全体へ広げた瞬間、打てる手の数が変わる。

宿題
自分の所有を「現金・資産・信用・関係・情報」の5行で棚卸しする。

金以外の4行に何が書けるかが、現在の本当の持ち点である。

次講
所有を増やす唯一のルールとは
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002 資本主義は「所有を認めるゲーム」である
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